2010年もありがとうございました!


今年の中頃の事ですが、ライカが銀塩カメラの生産をやめたというニュースが流れましたね。
私はライカがフィルムから撤退したという事実よりも、バルナックライカから80年以上にわたり基本的なシャッターの仕組みは変えずに、少しづつ改良を重ね作られ続けた、この完成度の極めて高い機械式カメラとしての「ライカ」に幕が降ろされてしまったことの方に感慨深い気持ちになりました。
バネや歯車や軸と軸受け、アームやカムや切り欠きやシアーなどなど、とにかく目で見てその役割が解る単純な部品の組み合わせだけで、巻上げレバーを巻上げてシャッターダイヤルをセットしシャッターボタンを押せば、バネに蓄積された力を各部に分散させ、フィルムに適正な露光を与える仕事を、耐久性を伴い確実にこなしてくれるライカの横走りフォーカルプレーンシャッターはもう作られなくなってしまいました。
状況を見れば仕方無い事ですし悲観的な気持ちはありませんが、機械的魅力満載のこの「ライカ」を製造する技術が絶やされてしまうのは勿体無いですね。
今年はライカや色々なカメラ、そしてシネレンズを通して今まで以上にいろいろな出会いがありました。
ご来店いただいた方と話がはずんだり、面白い注文をいただいたり、そしてライカの修理や塗装に時の経つのを忘れて集中したり、一年間とても楽しい充実した時間を過ごせました。ありがとうございました!
来年もよろしくお願いします。
タカハシ