『オールドレンズはバベルの塔』

澤村さんがオールドレンズ・フォトエッセイ集を執筆したと言う事で、さっそく近所の書店で見つけて購入してみました。
澤村徹氏は、オールドレンズライフをはじめ数多くのオールドレンズやRAW現像などカメラ関連ムック本の著者であり、デジカメドレスアップ主義の提唱者であり、写真家であり、オールドレンズ講座『OLP』の主催/講師を長年勤め上げ、オールドレンズのみならずカメラ関連の出版物、Webサイト、イベントなど表舞台で大変活躍されています。
『オールドレンズはバベルの塔』を読みはじめて「あれ?いつもと違う」と感じながらも読み進めていくと、一気に引き込まれてしまいました。オールドレンズライフなどのちょっとクールな文体とは明らかに違う、熱量の高い文章が、オールドレンズマニア心に突き刺さってきます。
澤村さんとはオールドレンズを通じてかれこれ10年くらいのお付き合いをさせていただいておりますが、澤村さんの見てはいけない部分を見ちゃったような、そこが見たかった!って部分を見せてくれたような、とにかく最後までぐいぐい面白くて、あっというまに読んでしまいました。
オールドレンズに然程興味が無い人や、澤村徹氏を知らない人が読んでも、主人公(澤村氏)のオールドレンズとの出会いや関わり、それにまつわる無数のエピソードが展開されていくのを、読者が主人公になって追体験していくような感覚になりワクワクしながら読み進めてしまうのではないかと思いました。
読み物としての、からくり仕掛けやスパイスやユーモアもたくさん散りばめながらクライマックスに何度も向かっていくような、
なんでしょう、これ、ドタバタ青春自叙伝的な小説を読んでるような痛快さですかね。
登場するオールドレンズで撮った写真もそのコメントも、なんともイイです。
おすすめです。