ココロのやすらぎ

ダイキャストボディ(IIIC)以前の、メインボディが真鍮プレスでセパレート構造のバルナックライカを塗装する為には、普通の修理やオーバーホールでは絶対に外す必要の無い部分まで分解します。
トッププレートやベースプレートをメッキ剥離の薬品に浸ける為には、軸受けや小さなネジも一本残らず全て外す必要があるからです。
比較的状態の良い個体の場合は、製造されてから一度も回された事の無いネジが70年の時を経ても難無く弛むあたり感心するといいますか、感動すらします。ちょっと大袈裟ですけど。
メッキ剥離、板金修正、下地処理、塗装、焼付け、文字色入れの後は組み立てなんですが、
この組立の作業が実に気持ち良いんですよ。
小さなネジ山が塗料の厚みで少しキツくなっている場合は一つ一つタップを回したり、兎に角、小さな部品を着実に元に戻していく行程は、冗談じゃなくて本当にココロがやすらぐのです。
そして同時にオーバーホールもしますけど、組み上げた部分部分がストレス無く動作して、シャッターが組み上がり軽快に走行する事を確認したあたりが至福の瞬間です。
我を忘れて作業に夢中になっている時が、後から考えると一番充実した時間ですよね。
今週も一週間、あまり余所見をせずに作業に集中したいなぁと思っています。。。